業務方法書とは

業務方法書とは、金融商品取引業の営業の免許を受ける際に、「業務の方法」や「業務の種類」を具体的に記載して財務局に提出する書面をいいます。

 

業務方法書の記載事項

@業務運営に関する基本原則

   業務運営にあたっての基本的な考え方を概念的に記載します。ここで注意すべきは、利益よりもコンプライアンスを重視しなければならないという点です。 なお、投資運用業を行う場合は、次の5点の記載も要求されます。

   ■投資運用業者の業務の基本方針及び業務運営の原則に関する事項

   ■資産運用の基本方針に関する事項

   ■運用する資産の種類

   ■運用権限の委託に関する事項

   ■投資運用業者の財務の健全化に関する事項

 

 A業務執行の方法

各種業務をどの部門がどのような手続で行うかを記載します。

投資運用業については、下記の3項目を文章化することにより作成します。

 

  ■運用の方法に関する事項

運用の意思決定プロセスを含む運用方針を決定する社内組織や運用部門における運用財産の運用方法について記載されている必要があります。

   

  ■顧客の勧誘及び契約の締結等に関する事項

「適合性の原則」のチェック体制、広告審査に関する体制、契約締結前・締結時交付書面等の書面を交付する体制、「説明義務」実施の体制のことをいいます。

→「従業員服務規程」や「広告等に関する規程」などの社内規程を整備して実行することです。

   

 ■運用財産の管理に関する事項

 ・金融商品取引法(以下「法」といいます)上の禁止事項である、顧客の財産との自己取引、顧客の運用財産相互間における取引を管理する体制を定めます。

 ・金融取引業者が運用を外部委託した際の手続を明確にします。

 ・業務委託先基準を定めます。

 ・運用プロセスの適切な実施を独立した管理部門にチェックさせます。

これは長文になるため、業務方法書とは別に社内規程を作り(「受託財産の運用に関する規程」「従業員服務規程」「広告等に関する規程」)別紙でフロー図とともに業務方法書に添付して提出するのが一般的です。

 

 B業務分掌の方法

 会社にどのような部門がありどんな役割と責任を負っているかを明らかにします。 

 責任の所在の明確化がポイントです。

 通常は、「業務分掌規程」という社内規程を作成し業務方法書に添付して提出します。

 

 C業として行う金融商品取引行為の種類

自己が営む金融商品取引業の種類を記載します。

ここでは、投資運用業や第二種金融商品取引業といった記載をするのではなく、金融商品取引業の具体的な種類(法2条8項の何号にあたるか)を記載します。 

 

 D苦情の解決のための体制

顧客の苦情に対応する部門等を記載します。

苦情処理は会社の信用問題にかかわり、誤った対応をとると倒産の危険もあります。苦情の定義や対応方法を記載するため、別紙で「苦情対応規定」を作成し、業務方法書に添付します。

 Eその他の記載事項

第二種金融商品取引業、投資運用業の場合、投資家から出資された金銭をどう運用するかも記載する必要があります。

業務分掌規程とは

2 業務分掌規程

 

(1)業務分掌規程とは

業務方法書の記載事項である「業務分掌の方法」をまとめた社内規程です。業務の担当部署、責任の所在を明確にしている規程であるため、最も重要な社内規程の一つです。

 

以前は、日本証券業協会が雛型を配布していましたが、現在は各社の自主判断に任せられ、一部の社内規程が参考資料として公開されるにとどまっています。

 

(2)掲載する部門(監督指針より)

 @コンプライアンス部門

コンプライアンス部門の記載は必須です。また、コンプライアンス部門は資産運用部門から必ず独立していなければならないことに注意が必要です。

 A管理部門

監督指針によると、コンプライアンス部門に続いて次の項目が記載されています。

  a.帳簿書類・報告書等の作成、管理

  b.ディスクロージャー

  c.運用財産の分別管理

  d.リスク管理

  e.電算システム管理

  f.管理部門による運用状況管理、顧客管理

    g.法人関係情報管理

    h.広告審査

    i.顧客情報管理

    j.苦情トラブル処理

    k.運用部門による資産運用業務の執行

    l.内部監査

    m.投資信託財産の運用を行うにあっては、投資信託財産に係る計算及びその審査

 

 ※これらは、一つの部(経理部、総務部、コンプライアンス部といった)でまとめて担当することもできます。例えば、abcを経理部が担当したり、fからjをコンプライアンス部が担当するといった感じです。